2014年2月19日水曜日

半孤立1日目:明日、20日の除雪は来ないようです。

20日に除雪があるとの情報でしたが、
まず、土木事務所に確認したところ、国道254号線を開通させられるまで、神津への正規ルートの除雪にはとりかかれないとのことでした。
開通、というのは2車線分除雪する、ということだそうです。

また製酪のN職員が帰り際に屋敷ルートから降り、現場を確認すると、
明日の開通は不可能、明後日も厳しいのではないかとのこと。
H職員が入手した情報によると、12号橋までは除雪が終わっているけれど、
その先はまだとのこと。(神津牧場の入り口は15号橋を過ぎてすぐです。)

ということで、本日がエサのタイムリミットまであと5日ですが、
まだダメそうです。

でも、実は、最低限、家畜を“生きた状態にしておく”ことは、できます。

私の言っていた“エサ”とは、トウモロコシ、ビートパルプ、綿実などが入った配合飼料、つまり濃厚飼料のことです。
ロールベール乾草・サイレージは自家産のものがあります。

神津牧場では夏期に放牧、冬期には夏期に採草した牧草を与えてウシを育てています。
創始者、神津邦太郎の「草を乳に変える」という理念をそのまま踏襲しています。
ただ、それだけで乳量、乳質を維持し、ウシの身体も維持するのはなかなか難しいものです。
だから、午後1時のウシの行列終了時と午前5時・午後2時半の搾乳時には、濃厚飼料を与えます。
与える量はそのウシが出す乳量によって決まります。
たとえば、たくさん牛乳出すウシには約3㎏とか。あんまり出さないウシには約1.5㎏とか。粗飼料に比べたら微々たるものです。

さて、これをご覧になっている方で、お子さんを授乳しながら育てた経験のあるお母さん方、
授乳してると、やたらとお腹が減る、なんて経験はないでしょうか。

実はウシたち、これを毎日経験しているのと同じことなのです。
エサを減らしても、乳はある程度出ます。
その代わり、母ウシの身体はぼろぼろになっていきます。
乳を搾らなければいい、ということでもありません。
そんなことをすれば、やがて乳房炎という病気になり、最悪な場合は死亡します。

さらに実はウシたち、乳を出しながら次の出産に備えて赤ちゃんがお腹にいます。
理想は1年に1回、仔牛を産ませることです。
そうすることでたくさんの牛乳を生産しています。
360日中、300日は搾乳して、あとの60日は出産に向けて搾乳はお休み。出産したらまた搾乳して、種付けして、またお休み期間があって・・・の繰り返しです。

こういうサイクルでウシたちを育てている時に、濃厚飼料を切るとどうなるか。
生かしておくことはできるけど、
生産性は著しく落ちていくでしょう。
生きてはいるけれど、その先に何が待っているのか、正直、あまり考えたくはないし、口にしたくもありません。

ニュースはソチオリンピックで明るい話題がたくさん飛び交っています。
だけど、いま、少なくとも私や神津牧場の目の前にある現実はかなり厳しいものだと感じています。
孤立している方々もまだたくさんいます。

なんとか、ならないものでしょうか。

でも、沈んでいてもしょうがないから、とにかく自分ができることを見つけて、
1つ1つ片づけていくしかありません。
前回のエントリーにコメントをくださった匿名様。
明日、除雪は来ないと知って、かなりマイナスな気持ちになっていた時にコメントを見つけました。
私も元気をもらいました。
本当にありがとうございます。

また、あしたもがんばります。
見守っていてください。

それではまた。

庄山

7 件のコメント:

  1. こんにちは。
    K職員とは趣味の仲間で、たまに広場の五右衛門風呂を沸かしてキャンプしている者です。
    大雪のニュースに心配しておりましたが、K職員から無事の報せがあり一安心しました。
    しかしブログを見て驚きましたよ。
    10日の夜には『雪を溶かした水で五右衛門風呂を沸かせるか?』などと二人で呑気な会話をしていたのですが。

    牧場が落ち着いた頃に五右衛門風呂の様子を見に…じゃなくって、遊びに行きますね。

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  2. 北野狐様
    こんにちは。コメントありがとうございます。北野狐様とは一度だけ、売店でお逢いした記憶があります。覚えていらっしゃるでしょうか(^-^)
    10日夜、というと、1回目の大雪がひと段落した時ですね。今回の雪、初日は私たちも呑気にしていたのですが(自分の書いたブログを読んでもそれがうかがえます)、日に日に状況が切迫してきている状況です。
    落ち着いたころにまた遊びに来てください。笑いながら「あの時はひどかったんですよ~。」なんてお話しできる日を楽しみにしています。
    庄山

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  3. まだまだ厳しい状況なのですね。
    私も内山の別荘地に孤立していて、今日やっと道が最低限通れるようになったところです。
    同じ雪を体感してますので、すごく大変なのがよくわかります。

    除雪がスムーズに進むよう、願っています。

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  4. こんばんは
    ふとした事で今回のブログを拝見いたしまして、本当に大変なことになっている事が伝わって参りました。過去に神津牧場へは縁あって何度も遊びに行き楽しませて頂きました。餌の件は深刻な問題で私個人で何も御協力が出来ませんが、職員の方々も無理をせず頑張って下さい。動物と皆様の安全を祈念しております。負けないで下さい!

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  5. アルパカ様、匿名様
    コメントありがとうございます。元気出してがんばります!

    アルパカ様
    ほんとうに近くのところにいらしたのですね。通れるようになったとのこと、安心しました。

    匿名様
    そのコメントに勇気づけられています。何も出来ないなんていわないでください。幸いなことに(?)非常にたくましい職員揃いなので大丈夫です(赴任して8カ月目の私なんてまだまだですが。。。汗)。がんばります。

    庄山

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  6. 関東天文協会の石井です。
    この雪で天文台の施設も潰れているかもしれないと思い、
    いつ、確認に行こうかと、ずっとこのブログを拝見していましたが
    とても大変なことになっているのですね。

    神津牧場のみなさまにはお世話になりっぱなしなのに
    こんなときに何もできなくて申し訳ない限りです。

    一日も早く、254のルートが開通して
    牛さんたちのエサの問題が解決することを願っております。

    職員の皆様も大変だともいもいますが頑張ってください。

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  7. 石井様

    ご無沙汰しております。天文台の方は場長の須山が「気にしているかもしれない。」と写真を撮ってきていました。
    これからブログにアップしますね。
    皆様にも言っていますが、コメントをくださるだけで本当に心強いですありがとうございます。
    写真、少々お待ち下さいね。
    庄山

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